自由帳


同年齢の星

投稿日時:2021/04/05 21:10


俺にはライバルがいる。

いや、ライバルなんて言えるほどのレベル差ではない。

圧倒的に離されている。

ライバルなんて言ってしまったら失礼かもしれない。

月とスッポンもいいとこだ。

とてもじゃないけど勝てない。


そいつは年も同じで地元も同じ。

当時の事を彼は覚えてないかもしれないけど。

俺のことも彼は覚えてないと思うけど。

確かに、あの時。

あの時代に何度か共に時間を過ごしていた。

一緒に吉牛食ったりした。

一緒にライブ見たりもした。


初めて出会った時からわかった。

「こいつはヤバい」

よくある学生時代の少々ヤンチャな「ヤバい」じゃない。

そんなんじゃない。

当時から「風格」があった。

初めて、タメの奴にあらゆる意味で「勝てない」と思った。

一瞬で悟った。

魂年齢が違うというのか。

経験値の量が違うというのか。

普通の高校生には到底ない「何か」を彼は持っていた。

それが何かは当時はわからなかった。

でも今や日本中の人が知ってる。

彼の才能に触れている人がたくさんいる。

だから。

あの時俺が感じた「何か」ってのはそういう事。

間違いなかった。

そういう意味では先見の明があったのかもしれない。

でも。

あの時、俺の周りにいた奴らは。

皆、彼のことをそう見ていたと思う。

「必ず売れる」と。


当時、高校生。

俺は勝手に、圧倒的な敗北感を感じていた。

勝手にね、勝手に。

そのぐらい強烈な光を放っていた。



あの出会いから今日まで。

彼の存在を忘れた事はないし。

いつまで経っても勝手に意識してるし、嫉妬もしてる。

絶対に辿り着けない境地にいる彼と。

いつの日か肩を並べたい。

心の片隅の本音を言うと。

そんな言葉がポロッと出てくる。

いいモチベーションになってる。


あの時の敗北感というのは。

俺にとっては衝撃で、凄まじい経験だった。

別に勝ち負けなんてどうでもいいし。

「人それぞれ」って言葉もあるけど。

当時、俺は率直にそう思った。


今も。

同世代であの時以上の衝撃を受けた事はない。


それぞれの道の上でクロスすることがあれば。

そんなに光栄な事はないね。

あの時の衝撃波が未だ心に残ってくれてるおかげで。

俺は今日も頑張れるのかもしれない。

そのぐらい大きかったな。




































応援してます。

ありがとう。

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